美容師からの転職で最初に入社したのは、SES(システムエンジニアリングサービス)をメイン事業とする会社でした。
入社した経緯の詳細はこちらの記事にまとめています。 → 美容師からエンジニアを目指すことにした理由
一言で言うと、転職サイトのスカウトオファーに背中を押されるまま入社した、という感じです。
SES企業についてはネット上で否定的な意見が多く、賛否両論があります。この記事では、実際に未経験でSES企業に入社し2年間働いた筆者が、個人として感じたことをまとめています。SES企業への転職を検討している方の参考になれば幸いです。
SESについて思うこと
「SES」という言葉は主語が大きく、一概に「良い・悪い」とは言えません。ただ、未経験OKを謳っているSES企業への入社は、正直おすすめできないというのが率直な意見です。
SESの本来の役割を簡単に説明すると、技術者が不足している現場にその分野の専門技術者を派遣し、依頼側と技術者の双方にメリットがある事業形態です。
美容師の世界で例えると、成人式のシーズンにヘアメイクの予約が集中し、自社のスタッフだけでは対応しきれない場合に、ヘアメイク専門の会社から技術者を一時的に借りるイメージです。派遣される技術者側も、空き時間を有効活用して収入を得られるという構造です。
この仕組みを踏まえると、未経験者にできる仕事=専門スキルを問わない仕事になりやすく、それは誰でもできる単純作業や、経験者が敬遠しがちな仕事になる可能性が高いのです。
ヘアメイクの技術者が欲しい現場に、未経験者が来ても戦力にならないのと同じ理屈です。
入社前にこうした業界の構造を知らなかったことを、後になってかなり後悔しました。もちろんすべての未経験OKのSES企業がそうだとは思いませんが、割合は高いと感じています。
未経験でSES企業で働いた感想
嫌な経験も多かったですが、良かった面もありました。配属先の現場や仕事内容によってメリットの大きさは変わりますが、筆者が感じたことをまとめます。
メリット
- 自由な時間が増えた:美容師時代は月6日休み・朝10時〜夜10時の勤務でしたが、SES(準委任契約)の現場では残業が発生しにくく、プライベートの時間が大幅に増えました
- IT業界に足を踏み入れられた:未経験でもIT業界に入れたことで、その後のキャリア転換の足がかりになりました
- 入社ハードルが低い:面接回数が少なく、未経験・異業種からでも入りやすかったです。同期はフリーター・接客業出身・新卒が中心でした
- 資格取得のサポートがある:SES企業では資格保有者を現場に売り込みやすいため、資格取得に手厚い会社が多く、受験料を負担してくれる場合もありました
- 残業が少ない現場が多い:準委任契約のため、残業分は追加料金が発生する構造上、残業を抑える文化の現場が多かったです
デメリット
- 配属先・仕事内容を自分で選べない:配属ガチャから逃れられず、キャリアの方向性を自分でコントロールしにくいです
- 仕事の幅が広がりにくい:派遣先で決められた業務をこなすだけになりやすく、新しいスキルが積み上がりにくい環境です
- キャリアアップしにくい:IT未経験者が配属される現場は、エンジニアとしての技術習得につながりにくい業務が多いです
- 給与が上がりにくい:仕事の幅が変わらないと評価もされにくく、給与が固定されやすいです
なお、資格取得と業務外での自己学習を積み重ねることで、より良い現場への配属確率を上げることは可能です。筆者もSES時代に夜勤の休憩時間を活用してIT系の資格を複数取得し、それが次のキャリアへの転換につながりました。
まとめ
一番伝えたいことは、未経験から転職する際は、業界・事業形態・会社の仕組みをしっかり調べてから動いてほしいということです。
特に美容業界からIT業界への転職は、働き方・評価の仕組み・キャリアの積み方がまったく異なります。焦って飛び込んでしまうと、後悔につながりやすいです。
最後に
この記事は、美容師から未経験でSESに入社して後悔している人が多かったことをきっかけに書きました。内容は筆者の主観と、同じ現場で働いていた他のSES企業(8社)からの派遣社員の方々から聞いた体験談をまとめたものです。
一つの参考として、転職を検討している方の判断材料になれば嬉しいです。


