前回の記事では、SES企業での最初の現場・運用オペレーターの仕事とキャリアアップ方法についてご紹介しました。 → 運用オペレーターの仕事(未経験SES)
運用オペレーターの現場を約1年で卒業した後、次に配属されたのがサーバー監視の現場でした。
この記事では、サーバー監視の仕事内容・将来性・そして実際に筆者がキャリアアップのために取り組んだ3つのことをご紹介します。サーバー監視の現場に配属されてキャリアに悩んでいる方に特に参考にしていただければ幸いです。
サーバー監視とは
名前の通り、サーバーを監視するお仕事です。
物理的にサーバーを目視するのではなく、ZabbixやCactiなどの統合監視ツールを使い、システムを稼働させているサーバーの物理的な故障・ネットワーク異常・アプリケーションの誤作動などを検知します。異常を検知した際は上位のエンジニアへ報告したり、手順書に従って一次対応を行ったりするのが主な業務です。
サーバー監視の仕事内容
サーバー監視の現場はほとんどが24時間365日稼働しているシステムの監視のため、ほぼ確実に夜勤があります。
異常がない時間帯は比較的暇で、資格学習をしながら働ける現場も多いです。一方で障害が重なると警報が鳴り続け、まったく休む間もない日もあります。
現場によって仕事の深さはさまざまで、大きく2つのタイプに分かれます。
① 大規模サービスを自社開発・運用している会社の監視現場 単純な一次対応だけでなく、二次対応・障害クローズまで担当できるケースが多いです。運用ルールが柔軟で、裁量が大きい傾向があります。
② 開発も運用も外部委託している現場 運用ルールが細かく決められており、工数管理が厳しいことが多いです。暇な時間にも何かしら作業をするよう指定される場合があります。
どちらが良い・悪いということではなく、配属される現場のタイプによってキャリア形成の仕方が変わってくるという点を理解しておくことが重要です。
将来性
サーバー監視の現場に配属された1週間後、現場の正社員の方からこんな言葉をかけられました。
「この仕事は今後の仕事で役に立つことが多く学べることも多い。でも長く働いてもエンジニアにはキャリアアップできないし、今後のキャリアにとって良くない。早く技術を身につけて転職した方がいい。若いんだから。」
当時はまだIT業界に入ったばかりでしたが、言われた内容はまさにその通りだと感じました。
サーバー監視で得た知識(Linuxの基礎、ネットワーク構成の理解、監視ツールの操作など)は現在でも役に立っています。ただ、長くサーバー監視を続けているにもかかわらず、現場移動も転職もできずにいる方が多かったというのも現実で、強く印象に残っています。
サーバー監視はエンジニアを目指すための「踏み台」として活用できますが、長期的にキャリアを積む場所としては向いていません。業務時間外の自己学習を続けながら、次のステップを意識して動くことが重要です。
サーバー監視からのキャリアアップ
筆者がサーバー監視の現場からキャリアアップするために取り組んだのは以下の3つです。
- 現場のシステム構成・ツールの学習と、業務効率化ツールの作成
- 開発言語(バックエンド)の学習
- クラウド(AWS)の学習
① 現場のシステム構成・ツールの学習と業務効率化
サーバー監視の現場では、システム構成図や使用ツールの資料を業務上の理由から閲覧できることが多いです。これは通常のエンジニア転職者が簡単には触れられない情報で、積極的に読み込む価値があります。
システム全体の構成を把握できると、障害発生時の影響範囲の予測や、対応の優先順位の判断がしやすくなります。将来インフラの設計・構築に携わる際にも、こうした構成への理解が大きなアドバンテージになります。
また、定常業務の中で「これ自動化できそうだな」と感じる作業が出てきたら、マクロやスクリプトで業務効率化ツールを作成してみることをおすすめします。実際に現場で使えるものが完成すれば、転職やキャリアアップの際に具体的なアピール材料になります。「業務効率化のためにツールを自作し、現場で実際に活用した」という経験は、未経験に近い状態からでも高い評価を得やすいエピソードです。
② 開発言語(バックエンド)の学習
「インフラエンジニアにプログラミングは不要」と思い込んでいる方も多いかもしれませんが、実際の現場ではコードを読む力は必須で、場合によってはコードを書く必要もあります。キャリアアップを目指すなら、開発言語の学習は避けて通れません。
何の言語を学ぶか迷う場合は、転職したい会社の求人票や作ってみたいサービスを基準に選ぶのがおすすめです。目的が明確だと学習が続けやすくなります。
最初は複数の言語に手を出しがちですが、まず一つに絞って基礎を固めることが大切です。一つの言語をある程度習得すると、他の言語も構文や概念が共通している部分が多く、スムーズに学習できるようになります。
③ クラウド(AWS)の学習
3つの中で筆者が最も「やって良かった」と感じているのがこのクラウド学習です。
サーバー監視の現場はほとんどがオンプレミス(物理サーバー)環境ですが、現在は保守費用や導入コストの削減を目的にクラウドへ移行する企業が急増しており、クラウドエンジニアの求人数も年々増えています。
AWSは無料枠とチュートリアルが充実しており、実際にアカウントを作成して手を動かしながら学習できる点が大きな強みです。費用をほとんどかけずに質の高い学習環境が整っています。
筆者はAWSを実際に触りながらインフラ構築の学習を進め、認定資格(AWS CLF・SAA)も取得して転職面接でアピールしました。
また、サーバー監視でオンプレミス環境には触れているものの、実際に構築した経験がないという弱点を補うために、Raspberry Piを購入して自宅でサーバー構築を学習しました。「実際に手を動かして作った」という経験は、面接でも説得力のある話として伝えられます。
最後に
サーバー監視の仕事内容と、筆者が実際にキャリアアップするために取り組んだことを体験ベースでご紹介しました。
サーバー監視はエンジニアとしての基礎知識を得る場としては有意義ですが、長く居続ける場所ではないと感じています。この記事が、同じ現場でキャリアアップを目指している方の参考に少しでもなれば嬉しいです。


